今回は、動画教材を事前に視聴する反転授業ならではの様々な疑問についてまとめました。「反転授業(ジョナサンバーグマン・アーロンサムズ)」の本を参考にしています。インターネットや動画を視聴するデバイスなど様々な問題があるようです。
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動画視聴の環境に関する問題と対応
反転授業の導入で、コンピュータを持つものと持たないもので、「デジタル格差」が拡大するという点がよく話題に挙がるが、彼らの考えでは、少しの創造性と機転を利かせれば、格差は埋められるという。
動画共有サイトを2種類ほど用意する
自宅に高速インターネット環境が整っていれば、動画を視聴することができるが、1つのサイトでは、アクセスが集中した際にとても重く動作が遅くなってしまう。そこで、いくつかのサイトがあれば問題が解消できる。
生徒のパソコンのフラッシュドライブに保存し持ち帰らせる
自宅にパソコンがあるが、古かったり、高速インターネット環境がない家庭用への対策。
生徒のiPod・携帯電話に動画を入れる
自宅にパソコンがなかったり、高速インターネット環境がない家庭への対策。現在、中学生であれば、だいたいスマートフォンを所持しているので、かなりの対策になるだろう。
DVDを焼く
自宅にパソコンやスマートフォンがない家庭への対策。DVDプレーヤーとテレビがあれば視聴可能
学校のiPadやパソコンを貸し出す
機器に限りがあると思いますが、貸し出すこともできるはずです。持ち出しがダメなら、学校で視聴できるようにしてもいいと思います。
学習者が動画を見たことは、どうやって確認するか
特定のサイトをつくる
学習者がそこにログインしたかどうか、どのくらいビデオを視聴したかどうかが確認できる。また、Googleフォームを利用することもできる。Google フォームは、youtubeとリンクしているので、特定の動画を簡単に埋め込むことができる。また、アンケートのようなフォームをつくれば、学習者が回答し送信することもできる
https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/学習者のノートをチェックする
サイトを作成するのは、いささかハイテクな方法であるが、この方法はローテクながらとても素晴らしい方法だと思う。人数が多いと大変かもしれないが、ノートは生徒の思考過程がよく現れる場所である。プラスαで、ノートの取り方も指導できるとおもう。
動画を視聴しない学習者への対応
教室の後方に動画視聴用の2台のパソコンを用意する。この場合、授業中に先生に質問ができないし、授業中にやる課題を自宅でするはめになるので、学習者は自然と動画視聴する重要さに気づいてくれる。
反転授業を複数の科目で導入すると宿題時間が増えるか
学習者が動画を視聴する時間は、従来、家で宿題をこなすのと同等あるいは少ない場合が多いので問題ない。
保護者は賛同するか
教員でもそうだが、新しい方法の学習には、反発がある。年度始めの保護者会や、連絡文書で通知するのはもちろんだが、ジョナサンのクラスでは、保護者から、オンラインだけの指導になり、日々の指導がなくなるのではないかと不安の声が寄せられたそうだ。しかし、この学習の恩恵を受ける学習者自体がむしろ味方になり、質問できる機会が増えたといって、保護者も一転して喜んだそうだ。
ビデオ制作の時間の確保
ビデオの制作に2人で取り組んだそうです。朝方のジョナサンは6時に出勤してビデオを作り、夜型のアーロンは、自宅で子どもを寝かしつけてから洗面所のスペースで動画をつくったそうです。最初は時間がかかったが、今では、ビデオを一通り揃っているので、少し修正を加えてつかっているそう。また、今は、他の教員が作った色々なビデオがあるのでそれを利用するよい。