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新型コロナウィルスの影響で、対面授業ができないため、onlineでの授業や、youtubeを使った動画教材をつくる教員も増えている。今回は、動画教材と対面授業を組み合わせた、反転授業について、「反転授業(ジョナサンバーグマン・アーロンサムズ)」の本を元にまとめました。主に、動画教材の作り方について話します。

Contents

反転授業とは

従来は、教室で行われていたを自宅で行い、従来は、宿題として自宅でやっていたことを教室でおこなう授業方法です。授業前に、動画教材などで宿題として、説明型の講義を聞き、授業中に、知識の定着や応用力を育成する個別指導や協調学習、プロジェクト学習をおこないます。

反転授業の流れ

反転授業が、従来の授業と異なる点として、授業の最初の方に、自宅で学習した動画教材の質疑応答をおこなうところがある。動画教材は、対面授業と異なり、先生と生徒との双方向で即時的なやりとりができない。そこをクリアしたら、残りの時間は、個別に学習したり、グループで応用的な学習をおこなう。従来の授業のように新しい内容を教え込む必要はないので、活動時間が多くとることができる。

従来の授業と反転授業の授業時間構成の比較

また、自宅での学習がきちんと行えるように、年度当初に、ビデオの効果的な視聴方法やノートの取り方を多めの時間をとって指導する

  • テレビなど気が散るものは電源off 
  • 一時停止や巻き戻し、早送りがなんどもできる
  • ノートに疑問点をとり、学習内容を要約し、質問があれば授業で聞けるようにする

反転授業の良さ

多忙な生徒を助ける

ジョナサンやアーロンの教えている高校では、大会遠征のために授業を休まなければいけない子がいたり、遠方から1時間半かけて学校に通う子がいた。しかし、動画教材を遠征前に自分のペースで学習しておいたり、電車内で学習するなど工夫することができ、生徒の時間に合わせた学習を可能にした。

つまづいている生徒を助ける

従来の授業では、授業中によく発言したり、手を挙げる優秀な生徒に目が向きがちだったが、反転授業を導入することで、机間巡視で、生徒をよく観察できるようになり、むしろ、困っている生徒にかける時間を増やすことができた。

生徒が先生を一時停止できる

私たち教師は、生徒に授業を聞かせるために様々な努力をしていると思う。しかし、実際これは、教師に合わせた授業であって、生徒に合わせた授業ではない。内容がわかりにくいものは、巻き戻したり、一時停止をつかって、ノートをしっかりとることができるし、逆に進みの早いものは、説明を飛ばすこともできる。普段指示を与えている教師を逆に生徒が操作できることは、なかなか面白い試みである。

生徒と教師のインタラクションを増やす

反転授業の最大の目標は、自分の授業をオンラインで自動化することではなく、むしろ、対面授業を充実させることにある。時間に余裕が生まれ、対面授業で生徒一人一人に寄り添いコーチングする時間を増やすことができた。

生徒同士のインタラクションを増やす

教師の役割が授業内容のプレゼンターから学びを支えるコーチに変わり、生徒の質問に答え、個別指導したり、グループで指導したりできるようになった。

教室の透明性を高める

動画教材は、保護者も自由にアクセスすることができ、わが子の学習内容を確認できる。授業参観でしかみることができない授業が手軽にみれることで、保護者も安心することができる。

教員が欠勤する際の対策になる

動画教材を撮り貯めておけば、わざわざ講義形式の授業をする必要はないので、不足の事態に対応できる。

反転授業の課題

生徒側の設備の問題

動画教材をすべての学習者が、自宅でみれる環境整備が必要である。現在は、各家庭にスマートフォンが普及しているが、動画教材を見るための高速Wi-Hiであったり、パソコンがない家庭も多いと思う。自宅でみることができない生徒には、DVDの形で貸し出したり、放課後に学校で学習できる環境を整える必要がある。

オンライン教材の整備

自分で自作の動画教材を作成することは、とても時間のかかることである。海外には、カーンアカデミーのように無料の動画学習サイトが充実しているが、日本にはまだ少ない。また、教師は、それぞれ自分の授業スタイルをもっているため、スタイルに合わない第三者の動画教材をしようすることはなかなか難しい。

対面授業でのデザイン

反転授業の最大のポイントは、対面授業での活動を充実させることにある。今までは、授業内容を学習者に理解させることが目標であったが、これからは、対面授業で、理解を深める応用的な授業のデザインや、個別的な指導の充実が必要になる。教師にとっては、新しい試みである。

1件のコメント

  1. ピンバック: 反転授業 動画作成方法 – Ikemath blog

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