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最近、学校にタブレットが普及し始めている。私の学校にも40台配当されているが、実際のところ活用はそれほどされていない。タブレットで学習なんてわからないし、紙で学習した方がいいという年配の先生も多くいる。もしかしたら、自分は、タブレットの良さに気づいていないだけかも知れない、そう思い、今回は、赤堀侃司著の「タブレット教材の作り方とクラス内反転学習」を読んで、タブレットで学習する意義をもう一度確認してみた。

Contents

タブレットと紙教材はどちらがよいか

赤堀(2014)では、大学生60名に情報教育に関する学習を3つのスタイルにわけて学習させ、テストをおこなった。3つの教材は、①iPadによる教材、②PCによる教材、③紙による教材である。iPadによる教材は、タッチペンでマーカーを引けるなど、紙教材に近い状態を保っている。その結果、次の表のようになった。また、その後のアンケート結果も下に示す。

理解度テストの分析結果(赤堀2014)
飽きなどのメディア比較(赤堀2014)

タブレット教材の特徴

記述・応用的・理解・総合に関する問題で、学習効果が高いことがわかった。
写真や音声、動画を見ることができ、頭では、瞬間的にイメージで学習することができる。
発散的に考えて、自分の考えを付与したり、協同で考えたり議論するのに向いている。
紙よりは、飽きにくく、もう一度学習してみたいと思うことが多い。

紙教材の特徴

多肢選択・基礎的・知識・理解に関する問題で、学習効果が高いことがわかった。
紙教材は、基本的には、言語情報で、文字を読みながら、図や表をみて、自分でイメージしながら学習する。タブレットやPCに比べると、写真などの解像度は劣ってしまう。
内容が限られていて、その範囲で集中して考えたりまとめたりするのに向いている。
iPadに比べて飽きやすく、もう一度学習しようとは思いにくい。

タブレットは、紙とPCの要素をあわせもっている

タブレットとは、もともと平板という意味である。中身は、PCだが、板の上に何かを書いて、表現することを考えると紙に近い。もともと人が、誰かに説明しようとするとき、手が動くと思う。何かを指し示して強調したりする。デバイスをタッチしたり、タッチペンをつかって線を引いたりできるタブレットは、両方の要素をもっている

タブレットと紙をブレンドして使うことが良い

以上まとめると、基本的に、手を使って勉強するというところから、自分だけで、基本的な知識を獲得するのであれば、紙による教材の学習効果が高いことがわかった。しかし、アクティブラーニングが主流の現在、周りの仲間と協同して、ディスカッションしながら、応用的、発展的な学習をするには、タブレット教材の学習効果が高いこともわかった。また、タブレットは、紙に比べて、飽きがこなく、もう一度学習してみようという動機付けができることも魅力である。自分で学習するときは、紙を使い、仲間と協同するときはタブレットをつかうなど、組み合わせることが大事である。

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