Pocket

これは実際に私の学校であった出来事です。今からちょうど1年前、夏休み明けに生徒が学校に来ていないことがありました。不思議に思って家庭連絡してみると、保護者も子どもの行方を知りませんでした。その後、家庭から学校へ連絡があり、遺書が見つかったという連絡を受けました。担任と、生徒指導専任で家庭訪問すると、保護者は玄関先で泣き崩れていました。まだわからないからと必死の説得で、保護者を警察署へ連れていき、警察が連携をとり、生徒を保護することができました。
 夏休み明けは、自ら命を絶とうとする児童生徒が多いといわれています。今回は、以上の出来事を教訓に、児童生徒の希死念慮についてまとめてみました。

Contents

希死念慮とは

簡単にいうと、死にたいと願うことを表します。場合によっては、疾病や人間関係などの解決しがたい問題から逃れるために死を選択しようとする状態を「自殺願望」といい、具体的な理由はないが漠然と死を願う状態を「希死念慮」ということもあります。

自傷行為の実態

 2006年高校2年生6406人にとったデータによると、自傷行為をしたことのある生徒が、男子は7%、女子は、12.5%いることがわかりました。
 また、2004年、小学校5年から中学校2年、2189人にとったアンケートによると、自分の体をカッターなどで傷つけたことがあるという項目に関して、1回が6.9%,2~3回が3.7%,5~6回以上が2.1%いることがわかった。
 過去に1回でも自傷行為をしたことのある人は、その後、はるかに高い確率で自ら命を絶つといわれており、たとえその時は、命を落とすことのない自傷行為であったとしても、適切なケアを受けられないと、実際に発展していく危険が高いようです。

子どもの自傷行為の実態

年齢別自殺者数

日本では年間で3万にも自ら命を絶つ人がいるといわれていますが、年々その数は減少しています。年齢別にみると、20代から80代の自殺者数は、年々減少していることがわかりますが、10代は減少していないことがわかります。命を絶つことに関しては、働き盛りの人や高齢者に関心がいきがちです。もっと児童生徒に注意を向けるべきであることがわかります。

年齢別自殺者数の推移

児童生徒の希死念慮まとめ

児童生徒の中には、希死念慮を持ち、自傷行為をおこなっている場合も少なくありません。40人学級であれば、4人以上いると考えてもいいでしょう。また、10代で、自ら命を絶つ人は、ほかの年代が減少しているのに対して、全く減少していません。自傷行為を行っている生徒は、大人になってから自ら命を絶つ確率が高いため、傷の深さに関係なく、適切に対応していくことが求められます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です