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吉川市立美南小学校の例

 近隣の開発で児童の数が増え、それに伴って教員の数も増えたことにより、職員室が手狭になってしまった美南小学校。会議室を改装して第二職員室を作る案も出ましたが、教職員の一体感や意思疎通のしやすさを考え、現在あるスペースを生かすことを考えたそうです。
 吉川市立美南小学校の職員室の良さをまとめると以下3点だと思います。

  • 管理職の席を職員室の中央に配置による管理職と教員のコミュニケーションの向上
  • 引き出しのない机の設置によるスペースの確保
  • モバイルバッグの導入によるスペースの確保

管理職の席を職員室の中央に配置

明治時代から、管理職の席は、職員室の端に設置されることが多かったのですが、民間企業のノウハウを取り入れ、管理職の席を中央に配置しました。これによって、管理職と教員のコミュニケーションの機会や質が高まったそうです。

引き出しのない机の設置

教員数の増加により、1人1人に机がいきわたらないこと受け、職員のロッカーを活用し、机の上に物を置かないことを提案したそうです。とてもすっきりした印象を受けます。

モバイルバッグの導入

従来は、ショッピングセンターのかごにプリントがどっさり置き去りにされていたそうですが、ロッカーの大きさにあったモバイルバッグを利用することでスペースの削減に成功したそうです。

https://www.kokuyo-furniture.co.jp/manabi/topics/2.html

横浜市立富士見小学校の例

横浜市立富士見小学校では、新しいオフィス用品を購入するのではなく、今あるもので工夫した職員室をつくっています。

横浜市立富士見小学校の職員室の良さをあげると、以下の2点になると思います。

  • 管理職の席を中央に配置
  • ラボ(書類共有棚)の設置

管理職の席を中央に配置

管理職の席を中央に配置することで、学年間で完結していた話を学校全体で共有できるようになったそうです。

ラボ(書類共有棚)の設置

教職員が個人で管理していたものを1つの場所にまとめ、書類の管理と共有が容易になったそうです。

http://www.iwasakishoten.site/entry/shokuinshitsu

島根県浦和野高校の例(センセイオフィス)

島根県立津和野高等学校は、スイスの家具メーカー・ヴィトラと協働し、職員室のレイアウトや家具を刷新した”新職員室”「センセイオフィス」を完成させました。このオフィスでは、複数の機能を持つスペースを設け、生徒が入りやすく、教員の健康にも配慮した設計になっています。

島根県立津和野高等学校の職員室の良さは、以下2点になります

  • 生徒が入りやすい職員室の設計による教員と生徒のコミュニケーションの向上
  • 業務に応じたワーキングプレイスの設置による、教員の健康面への配慮

生徒が入りやすい職員室

壁を作ることなく、システム家具で教員エリアと生徒エリアを緩やかに区切り、生徒が気軽に職員室に入り、先生とコミュニケーションの取りやすい環境を目指しているそうです。

業務に応じたワーキングプレイスの設置

執務スペースでは個人デスクで業務に専念、協働スペースでは先生同士の打ち合わせ、集中スペースでは生徒との対話など、先生が必要な業務によって働く場所を選ぶことができます。これによって、先生は、個人デスクに留まることなく場所を選び、移動しながら働くことで、長時間同じ姿勢でいることを避け、健康的に働くことが可能なようです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000040329.html

金大附属高校の例

金沢大学附属高校は、主に研究室で業務を行う大学の先生や主に教室へ向かう高校の先生のために、この大職員室で朝の打ち合わせを行い、それぞれの業務場所に移動するようです。大きな学校だからこそ大切な、教員間のコミュニケーションのために席のフリーアドレス化を実施しています。

フリーアドレス化

職員1人1人に移動に便利なモバイルPCを配り、校内にWi-Fi環境を整えることで、職員の席のフリーアドレス化を実現したそうです。これによって、教科を超えた職員のコミュニケーションが高まったことや、ペーパーレス化、会議の時短も実現したそうです。

https://www.yamagishi-p.co.jp/lscena/topics/110/

新しい職員室のデザインまとめ

職員室のデザインを変えることで、職員室内の雰囲気を変えた、吉川市立美南小学校や横浜市立富士見台小学校。業務に応じたスペースを確保し、生徒が相談しやすい職員室環境を作った島根県浦和野高校。フリーアドレス化により、一般企業さながらのオフィスを実現した金沢大学附属高校。どれも働いてみたい職員室ばかりでした。ただ、ひとつだけ気になるのが、以上のまとめの中に中学校が入っていないことです。もしかしたらそのような記事があるのかもしれませんが、小学校、中学校、高校または附属高校、大学などでは働き方や生徒の様子が違うために職員室環境の整備まで手が届かないのかもしれません。教員志望者の減少もありますし、働きやすい職員室を推進し、教員志望者が増えてくれることを願います。

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