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様々な倍数判定法と問題点
ある数が何の倍数であるかを判定する方法は、以下のようにたくさん存在しています。
•2の倍数…1の位が偶数
•3の倍数… 各位の和が3の倍数
•5の倍数… 1の位が5または0
このぐらいであれば、よく使用しますし、覚えられます。しかし、7の倍数、11の倍数、13の倍数と増えれば増えるほどそれを判定する方法は多岐に渡り、使わなければ忘れていってしまうでしょう。今回は、こんな悩みを解決し、数学の不思議な一面にもであえる万能な倍数判定法をご紹介したいと思います。
万能な倍数判定法の使い方
①与えられた数の末尾の数字を取り除く
②残った数から取り除いた数字のk倍を引く (kは、判定したい倍数によって異なる)
③その結果が知りたい倍数で割り切れれば、元の数は判定したい倍数となる
④ひと目である数の倍数であると確かめられるまで、この操作を繰り返す
7の倍数の判定法
7の倍数の場合k=2となります。例えば、791が7の倍数であることを判定してみましょう。
まずは、791の末尾の1を取り除いて2倍し、取り除いた数から引いてみます。すると77となります。よって、元の数は、7の倍数となります。
13の倍数の判定法
13の倍数の場合k=9 となります。例えば 4511が13の倍数であることを判定してみましょう。
まずは、4511の末尾の1を取り除き、9倍してもとの数から引きます。すると、442となりました。まだ わからないので、 この操作を繰り返します。すると26となります。26は 13の倍数なので、もとの数は13で割り切れます。
17の倍数の判定法
17の場合、 k=5となります。 4607が17の倍数であることを判定してみましょう。
4607の末尾の7を取り除き 、5倍してもとの数からひきます。すると425となりました。まだひと目では、わからないので、この操作 を繰り返します。 最後は、17となりました。したがって、 もとの数は、17でわりきれます。
倍数判定に使用する数まとめ
使用するkは,倍数によって異なります。いくつかを 下の表にのせておきます
倍数 | 7の倍数 | 11の倍数 | 13の倍数 | 17の倍数 | 19の倍数 | 23の倍数 |
k | 2 | 1 | 9 | 5 | 17 | 16 |
倍数判定に使用する数の証明
判定したい数が何桁であろうと、結局使用するのは、 末尾の数と、それを取り除いた数になるので、今回 は、3桁の場合で考えてみたいと思います。
まず、3 桁の数は一般に、 100a+10b+c と表されます。そして、末尾の数を取り除くという操作は10で割るという操作に似ているので、10(10a+ b) +cと変形 できます。
ここからが、少し説明が難しいのですが 、 10a+bから末尾の数に応じ、k倍した数を引くのですが、引いた結果、右端に残った c の部分が、その倍数である必要があります。
また、その数と末尾を k 倍してひく数は、差が1である必要があります。そこで、7の倍数の場合は、21cであり、k=2が出現します。また、13の倍数のときは、91cからk=9が出現します。この表をさらに奥深く研究すると数の規則に関してもいろいろな発見があると思います。数学クラブなんかあればひたすら生徒にやらせてみても面白いかもしれません。説明が続いてわかりづらいと思いますが、以下の図を参考にしてみてください。